本記事では、
- 日々の「苛立ち」や「不安」を振り払いたい
- マインドフルネスの理解を深めたい
という方へ向けて、具体的なマインドフルネスの練習を紹介します。
日々の生活に取り入れ、変わっていく自身のこころを感じて頂けたら、幸いです。
1. そもそもマインドフルネスって?
マインドフルネス(Mindfulness)は、
「いま、ここ」に意識を集中し、
そこで起きている現象を良し悪し判断せず、ただ見つめること。
例えば、こんなこと。
- 目を閉じ呼吸にのみ集中
- 一杯のコーヒーを、一口ずつ味わう
- 歩行時、手足の感覚を最大限に意識
「何かをしながら」ではなく、
ただ熱心に、「今、ここ」に集中すること。
それが、『マインドフルネス』です。
アメリカのグーグル社がこれを社内カリキュラムに取り入れだしたのは、有名な話です。
マインドフルネスは今や、
「知る人ぞ知るトレンド」ではなく、
「誰もが知り、活用する術」へ、
移り始めているのかもしれません。
2. マインドフルネス最大の恩恵は「正しい理解」
『マインドフルネス』のメリットは、
「正しい理解」が身につく
ということでしょう。
例えば、
仲間がミスをして、苛立つ
ミスをしてしまい、焦る
気が散って、集中できない
といった経験は誰でもあると思います。
このとき、
「できごと・感情」を肯定/否定せず、
じっと見つめてみましょう。
「あるものはある」と、理解するのです。
「正しい理解」を身に付ければ、
あらゆる場面で感情に塗りつぶされず、
仕事や勉強、家事に集中できるのです。
3. 瞑想しないマインドフルネスで、時間を取り戻せ
『マインドフルネス』は前述のとおり、「今、ここ」に集中すること。
よく聞く『瞑想』も、マインドフルネスの代表的なアプローチの一つですが、
座禅を組んで目を閉じる事だけが『それ』ではありません。
- 食事をしている時
- 通勤 / 通学中
- 仕事 / 勉強中
- 運転している時
- ゲームをしている時
どんな時でも、ただその作業一点にのみ集中することで、
マインドフルネスは成り立つのです。
人間は2つ以上の事を同時に行うことができる器用さを持っていますが、
決して「すべての事に”100%ずつ”取り組める」 というわけではありません。
こうした「ながら作業」のリスクは、
- 歩きスマホによるケガや事故
- 心配事があり仕事が上の空
- 昨晩の献立を思い出せない
など、被害の大小に関わらず多岐にわたります。
「マルチタスクが悪い」とまではいきませんが、
ながら作業が定着してしまっている人の一日は、「効率的」に見えて、
実はとても「もったいない」のかもしれません。
4. 筆者おすすめのバイブルと具体的なアクション
今回紹介する『マインドフルネスの練習』は、以下の書籍から、
僕が実際にやってみて「これは良い!」というものになります。
本の趣旨としては、
「普段の生活で行えるマインドフルネスの具体的な練習を提案」
ということで、
- 利き腕でないほうの手を使う
- 「つなぎ言葉」に注意する
- 姿勢を意識する
など、計53個もの提案があります。
この記事では、僕のおすすめとして4つピックアップしたので
是非、あなたの生活に取り入れ体験してもらいたいです。
5. とりあえず4つ厳選してみました
5.1. 痕跡を残さないように生活する
家の中のどこか一か所を「痕跡を残さない場所」として決め、
そこを使用した後は一切の痕跡を残さないよう、きれいにして
その場を離れる
僕は浴室や洗面台、台所のシンク…などを転々と試してみました。
”痕跡”というのは、ぱっと見で判る汚れや大きなゴミだけでなく、
髪の毛やほこり、微細な汚れなど、
よくよく見ると気づくレベルのものも含まれます。
* この練習での『気づき』
- 些細な行動にも、痕跡は伴う
- 痕跡に気がつくと、気になって仕方がない
- それは単に認識の問題であり、痕跡自体は以前から「ある」
- 痕跡に気付かないほど、意識は「違うなにか」へ向いていた
何も考えず生活していると、
ふと気付いた汚れに対して、
「汚いなぁ・・・」
「掃除面倒くさいなぁ・・・」
「何故みんな放置しているんだ!」
と、感情をただ抱いておしまいですが、
この練習で、
「あるものはある」
「それは、自分自身の”認識”や”感情”とは断絶されている」
という純粋な事実の把握(正しい理解)が出来るのです。
5.2. 食べるときは「食べる事」に専念する
食べる / 飲む ということをしているとき、
それ以外の事を並行して行わないようにする
時間をたっぷり使って、口に入る食べ物・飲み物をゆっくりと楽しみます。
五感をフルに使い、色や香り、味、食感に全神経を集中します。
* この練習での『気づき』
- 「一人で」×「食べるだけ」= 不安
→ この手持ち無沙汰感でスマホをいじっていた? - 慣れてくると人目を気にせず出来る
- 「いただきます」「ごちそうさま」に心が乗る
- 店のスタッフさんに、心からの感謝が出来る
誰かとの会食時も、
「話す」と「食べる」を切り替える様に
意識してみましょう。
5.3. 「自分のもの」という心を意識する
日常生活において、「いつもの場所」「よく使うモノ」に着目し、
それらが「ままならないもの」であることを意識してみる
「ままならない」というのは、思い通りにいかない物事です。
例えば、
- いつか壊れるかもしれない
- 汚れてしまうかもしれない
- 誰かに盗まれるかもしれない
- 価値が下がるかもしれない
といった、
物事に伴う様々なリスク(不確実性)のことです。
これは、”自分自身の心以外”すべてが
当てはまってしまいます。
今は思い通りに動く手足も、思わぬ事故や病で、
突如、動かなくなるかもしれません。
家族・友人・仕事の同僚も、また然り。
* この練習での『気づき』
- 日常的なイラだち = 執着がある
- 執着への自覚がないと、
-
- 誰かや何かのせいにし、非難する
- じきに忘れて、また繰り返す
「自分のもの」とまではいかなくとも、
「手に入れることも、手放すことも自分が決められる」
という、執着を持っているものはありませんか?
5.4. すべてを吸収するように人の話を聴く
誰かの話を聞くとき、
反論・返事を考えたり、遮ったり、視線を逸らしたりせず、
全神経を集中する
人と会話をしている時、「自分はいま何を考えているか」注目してみましょう。
相手の気持ちを理解することよりも、反論や返答の言葉を考えているなら、
- 会話が途切れることへの不安
- つまらないと思われたくない
- 馬鹿だと思われたくない
といった思いの表れかもしれません。
人の話を聞くときは、相手が誰でも
手を止め、おへそを向け、全力で言葉と気持ちの理解に徹しましょう。
*この練習での『気づき』
- 意識すれば、聞いている時、自分の”返答”思考が回っているのがわかる
- 判断を伴う返事は、結局つかれる
:「良い、悪い」「正しい、間違い」は言い切りにくい
- 「無理に判断しなくていいんだよ」と言い聞かせると、少しラクになる
- 相槌だけでいい。沈黙があっていい。ただ、相手を知ろう!
6. 【+1】上記4つを実践したら、やってみよう
場所やモノを今よりよくして去る
どこかの場所や何かを、来た時よりきれいに、
あるいはきちんとしてその場を去るようにする
これは、一つ目に紹介した『痕跡を残さないように生活する』の上級ver.です。
見出しで「+1」としているのは、そういう意味でもある他に、
私が思うに、
この練習こそがマインドフルネスの意義そのもので、当書の最終目標
なのです。
(現にこの練習は、WEEK53:クライマックスで紹介されています。)
この練習の一番のポイントは、
『「よく」する対象を、限定しない』点です。
どういうことかというと、
- 場所(屋内でも、屋外でも)
- もの(誰のものでも)
- 人との関係(職場、学校、家族、近所の人、見ず知らずの人)
など、身の回りの ”すべて” に当てはめることが出来ます。
「どれでも良い」というと、逆に難しく感じるかもしれませんが、
先に紹介した4つの練習を活かせば、
きっと、そう難しくないはずです。
*この練習での気づき
- 『人との関係』では、べつに特別な心遣い、言葉選びをする必要はない
- 心を込めた挨拶
- 笑顔
- 相手を”正しく理解”
- 「よく」すること”だけ”に集中すればいい
(以下は、考えない)- 「これを自分がやったら、次からあてにされる」
- 「いつもやってあげたら、感謝されなくなる / 相手の為にならない」
- 「恥ずかしい」「偽善だと思われる」
7. まとめ
いかがでしたでしょうか?
どれか一つでも「やってみよう」と思えたなら、先ずはそれから着手し、
自分自身のこころを知る手掛かりにしてもらえれば、幸いです。
取り組む際に大切なことは、
続かないことを責めない
ということです。
習慣を変えるというのは、なかなか容易なことではないし、
そもそも、目指すべき『正しい理解』では、自分自身をむやみに否定・肯定しません。
いえ、
しなくていいんです。
あなたのペースはあなたが決めていいし、
辞めるのも、また再開するのも、
あなたが決めていいのです。
他人に指図されないからこそ、
- 「いただきます」に心を込められる
- 見返りや評価を顧みず「良くすること」に集中できる
のだと思いませんか?
是非、あなた自身が心から「必要だ」と感じるまで、
じっくりと、これらの練習に身を投じてみてください。
ではまた。
8. 参考:書籍『「今、ここ」に意識を集中する練習』
今回紹介した練習5つを含め、
全53の練習を提案しています。
ライフスタイルにより、取り組みやすさは異なるので、本書を手に取り、
あなた自身に合う練習を探してみてください。
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